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琉球・沖縄

沖縄の古民家の特徴と歴史について

沖縄の古民家の特徴と歴史について 琉球・沖縄
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沖縄の古民家は、琉球王国時代の歴史と文化を今に伝える貴重な遺産です。
琉球王国は、1429年から1879年まで、沖縄諸島を中心に存在した王国で、日本や中国、東南アジアとの交流を通じて独自の文化を築き上げました。
その文化は、沖縄の伝統的な民家にも反映されており、自然との共生や内と外の融和といった特色が見られます。
この記事では、沖縄の古民家の特徴と歴史について紹介します。

沖縄の古民家の特徴

沖縄の古民家は、以下のような特徴を持っています。

  • 赤瓦:沖縄の古民家の屋根には、赤色に焼き上げた瓦が使われています。
    赤瓦は、琉球王国が中国との冊封関係を結んだ明代以降に導入されたもので、当時は王族や士族など上流階級のみが使用することが許されていました。
    赤瓦は、台風や雨風に強く、夏は涼しく冬は暖かいという効果もあります。
    赤瓦は漆喰でしっかりと固められており、飛ばされないように工夫されています。

  • 石垣:沖縄の古民家は、珊瑚や石灰岩などを積み上げた石垣で囲まれています。
    石垣は、台風や敵から家を守るとともに、敷地内にプライベートな空間を作り出す役割も果たしています。
    また、石垣には風通しを良くするために隙間があけられており、様々な植物が生えています。
    これらの植物は、虫除けや薬草としても利用されています。

  • :沖縄の古民家には、庭が欠かせません。
    庭では、野菜や果物などを栽培したり、動物を飼ったりして自給自足の生活を送っていました。
    また、庭では祭祀や催し物なども行われており、家族や近所の人々との交流の場でもありました。
    庭には御嶽(ウタキ)と呼ばれる神聖な場所も設けられており、神々への祈りや感謝を捧げていました。

  • 間取り:沖縄の古民家は、一般的に四角形や長方形の平面形で、中央に広い土間があります。
    土間は居間や台所として使われるほか、来客や行事などにも対応できる多目的な空間です。
    土間の周りには、畳敷きの部屋が配置されており、寝室や個室として使われます。
    部屋と部屋の間には障子や襖がなく、開放的な雰囲気です。
    また、部屋の一部は床を高くして座敷として区別されています。
    座敷は、客間や祭壇として使われます。

  • 建材:沖縄の古民家は、木材や竹などの自然素材を主に使って建てられています。
    木材は、沖縄本島ではヒノキやクスノキなどの針葉樹が多く使われており、先島諸島ではシマクワやシマサキシなどの広葉樹が多く使われています。
    竹は、柱や梁などの骨組みや、壁や天井などの仕上げに使われています。
    壁は、泥や石灰などで塗り固められており、断熱効果や防火効果があります。

沖縄の古民家の歴史

沖縄の古民家の歴史は、大きく分けて以下のような時代に分かれます。

  • 先史時代:沖縄に人が住み始めたのは約3万年前と考えられており、その頃は洞穴や岩陰などを住処としていました。
    紀元前1千年頃からは縄文時代に入り、土器や石器などを作るようになりました。
    この時代の住居は、掘立柱式の竪穴式住居で、円形や方形の平面形でした。
    また、貝塚や土器片などから、海産物や山産物を食べる生活を送っていたことが分かっています。

  • 古代:3世紀頃からは弥生時代に入り、稲作や鉄器の使用が始まりました。
    この時代の住居は、掘立柱式の平地式住居で、方形や長方形の平面形でした。
    また、集落を形成するようになり、祭祀場や墓地なども見られるようになりました。
    6世紀頃からは古墳時代に入り、沖縄独自の円筒埴輪や須恵器などが作られるようになりました。
    この時代の住居は、掘立柱式の平地式住居で、方形や長方形の平面形でしたが、一部に高床式住居も見られるようになりました。

  • 中世:12世紀頃からは中世に入り、琉球王国が成立するまでの時期です。
    この時代は、沖縄本島では北山・中山・南山という三つの勢力が争い合っていました。
    また、中国や日本との交流も活発化しました。
    この時代の住居は、掘立柱式の平地式住居で、方形や長方形の平面形でしたが、一部に高床式住居も見られるようになりました。
    また、赤瓦や石垣なども導入されるようになりました。

  • 近世:15世紀には、琉球王国が沖縄諸島を統一しました。
    この時代は、中国や日本、東南アジアとの貿易が盛んになり、琉球王国の文化が発展しました。
    この時代の住居は、赤瓦や石垣などを使った高床式住居で、四角形や長方形の平面形でした。
    また、庭や御嶽なども整備されるようになりました。
    沖縄の古民家の多くは、この時代の様式を基本としています。

  • 近現代:19世紀には、琉球王国が日本に併合され、沖縄県となりました。
    この時代は、日本の影響を受けて、洋風の建物や設備が導入されるようになりました。
    また、第二次世界大戦では、沖縄戦が起こり、多くの住民や住居が犠牲となりました。
    戦後は、米軍の占領下に置かれ、基地建設や土地収用などによって、伝統的な住居も減少しました。
    1972年には、日本に返還されましたが、基地問題や経済問題などが依然として残っています。
    現在は、沖縄の古民家を保存・活用する取り組みが行われています。

まとめ

沖縄の古民家は、琉球王国時代から現代までの歴史と文化を反映した建築物です。
赤瓦や石垣などの特徴的な素材や構造を持ち、自然との調和や内と外の融合といった美学を表現しています。
沖縄の古民家は、沖縄のアイデンティティや伝統を守るとともに、新しい時代に合わせて変化してきた生きた遺産です。
沖縄に訪れた際には、ぜひ沖縄の古民家を見てみてください。

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この記事を書いた人
伊藤 正

私は、日本の家の歴史について研究しています。

人類が生活の中に居を構えるようになったのは16万年以上前。その時代に建築して済むという技術はなかったと思いますが、知れば知るほど興味の尽きない話題です。

そんな中、日本の家の歴史はどうなっているのか。駆り立てられた知識欲をこのサイトへ投下していきたいと思います。

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