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中世・近世

忍者屋敷とは?日本の歴史における隠れ家の秘密

忍者屋敷とは?日本の歴史における隠れ家の秘密 中世・近世
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こんにちは、伊藤です。
今回は、日本史において重要な役割を担った忍者と、彼らの生活の舞台となった忍者屋敷についてお話しします。

忍者と聞くと、敵対する者に対して忍術や忍具を駆使して戦うイメージが強いかもしれませんが、実は彼らには別の一面もありました。
それは、普段の暮らしや任務の際に隠れ蓑として機能した忍者屋敷です。

この記事では、忍者とは何なのか、また、忍者屋敷はどのような特徴を持っていたのか、現在も残っている忍者屋敷などについて紹介します。

忍者とは?

忍者とは、日本の歴史において、忍術という特殊な技術を用いて、諜報や破壊などの任務に従事した人々のことです。
「忍者」という呼び名は、昭和30年代以降に小説などで広まったもので、それ以前には「忍び」と呼ばれることが多かったようです。
また、地方によっては「乱波(らっぱ)」「透波(すっぱ)」「草(くさ)」「奪口(だっこう)」「かまり」などの別名がありました。

忍者は各地の大名や領主に雇われて、敵国への侵入や情報収集を行いました。
しかし、忍者の最も重要な役割は、敵方の状況を主君に伝えることでした。
そのため、戦闘はできるだけ避けて、生きて帰ることを優先しました。
忍術に自分の身を守るための技が多く含まれていたのは、それが理由とされています。

忍者というと黒い服を着ているイメージがありますが、これは現代の創作物の影響です。
実際には日中に黒い服を着ていると目立ってしまうため、一般の武士などと同じような普通の服装で活動していました。
また、できるだけ目立たないよう、忍装束の色も黒や紺ではなく、茶色や渋柿色などが多かったと言われています。

忍者屋敷とは?

忍者屋敷とは、忍者が住んだり活動したりした家のことで、一見すると普通の民家に見えますが、実は驚くべき仕掛けや秘密が隠されていたといいます。

忍者は、敵からの攻撃や追跡に備えて、屋敷内に様々な工夫を施していました。
それらの工夫は、忍者が任務を遂行するために必要なものであり、屋内での戦闘においても有利になるよう考えられていました。

例えば、忍者の刀は刺すことに特化しており、振り回すことは苦手でした。
そのため、天井を低くして敵が刀を振り回せないよう、敵の動きを制限したりしました。

また、床下や壁には隠し通路や隠し部屋が設けられており、敵が侵入してきたときに逃走したり身を隠したりするための落とし穴や罠が仕掛けられていました。

その中でも最も有名なものは「どんでん返し」と呼ばれる仕掛けでしょう。
どんでん返しは、壁に見える扉で、力を加えると回転する仕組みになっています。
忍者はこの扉を使って敵の目を欺いたり、別の場所に移動したりしました。

他にも「隠し階段」「隠し梯子」などがあり、それらを使って隠し通路や隠し部屋に入ったり出たりしました。
さらに、「見張り窓」などもあり、外や屋敷内の様子を把握することができました。

忍者屋敷には、忍者が使った道具や武器なども保管されていましたが、近所の人から正体がばれないように、「刀隠し」などもあったと言われています。

忍者屋敷は、忍者にとって単なる住まいではなく、自分の命を守るために重要な役割を果たす拠点であったことがわかります。

忍者屋敷の魅力

忍者屋敷とは、日本の歴史に登場する隠れ家の一種ですが、それだけではありません。
先ほど詳しく説明しましたが、忍者屋敷は、忍者という特殊な存在が、知恵や技術を駆使して、生き抜くために工夫した建物でもあるのです。

私たちは、現代の科学技術によって作られた様々なものに囲まれていますが、それでも忍者屋敷には驚かされることが少なくありません。
忍者屋敷は、日本人の独創性や美意識を感じることができる空間です。
そして、忍者屋敷を訪れると、忍者の暮らしや技術についても知ることができます。
さらには、忍者屋敷では、自分も忍者になった気分で遊ぶこともできます。
仕掛けを見破ったり、道具や武器を使ってみたりすることで、忍者の世界に触れることができます。
次の項では、現存する忍者屋敷について解説していきます。

現存する忍者屋敷

現在、日本にはかつて本物の忍者が住んでいた(活動していた)とされる数少ない忍者屋敷が残っています。
その中でも有名なものは、以下のものです。

甲賀流忍術屋敷

甲賀流忍術屋敷は、江戸時代の元禄年間に建てられた甲賀望月氏本家の旧邸宅です。
この屋敷は、忍者としての活動に備えて、防衛や脱出のための様々な仕掛けが施されています。
他の場所から移されたり、改造されたりしたものではなく、当時のままの姿で保存されている貴重な建築物です。

この屋敷の見どころは、外からは分からない隠し階や秘密通路です。
外観は平屋や2階建てに見えますが、実は3階建てになっており、中二階や天井にも空間があります。
そこには、「かくし梯子」や「縄梯子」で上り下りできるようになっています。
また、屋敷内には逃げ出したり、敵を捕まえたりする「どんでん返し」「落とし穴」「からくり窓」などの仕掛けがあります。
屋敷のあちこちには、望月家の家紋である九曜紋が刻まれており、忍者の誇りを感じさせます。
さらに、忍者が使った生活用品などもあり、当時の忍者の生活を垣間見ることができます。

甲賀流忍術屋敷では、甲賀流忍者や屋敷の歴史について詳しく学べ、からくりの操作を体験したりすることができます。
また、資料室では自由に展示品を見学したり、お土産コーナーでは忍者グッズを買ったりすることもできます。
忍者飲用薬草茶の「健保茶」は、代々伝わる秘伝のお茶で、試飲や購入も可能です。
手裏剣投げ体験もありますので、ぜひ挑戦してみてください。
甲賀流忍術屋敷は、忍者の生活や文化に触れることができる貴重な体験を提供しています。

弘前忍者屋敷

弘前忍者屋敷は、江戸時代後期に建てられた旧相馬家の邸宅です。
この屋敷には忍者が住んでいたわけではありません。
弘前藩には「早道之者(はやみちのもの)」という特殊な忍者集団が存在し、この屋敷は彼らの拠点として機能しており、ここで情報を交換したり、薬草を調合したりしていたとされています。

この屋敷は戦乱の時代に建てられたものではないため、他の忍者屋敷に見られるような大掛かりな仕掛けはありません。
しかし、それでも侵入者や危険を察知するための細かな工夫が随所に施されています。
例えば、玄関には外から見えない小さな窓があり、ここから来客や周囲の様子を監視することができます。
また、居間の入り口には一見普通の板の間ですが、音を出す仕掛けが仕込まれており、不審者が入ってきたらすぐに気づくことができます。
さらに、壁や床には隠し空間や逃げ道が設けられており、緊急時には素早く外へ脱出することができます。
室内の梁には釘穴が多数見られますが、これは薬草を干していた名残だと言われています。
弘前忍者屋敷は、忍者の生活や文化を垣間見ることができる貴重な遺産です。

まとめ

この記事では、忍者や忍者屋敷とは何か、その特徴や魅力、現存するものについて紹介しました。
忍者屋敷は、一見普通の家に見えても、実は多くの仕掛けや罠が隠されている忍者の隠れ家です。

現在では、数少ない忍者屋敷も残っており、その魅力を体感することができます。
日本の歴史や文化に興味がある方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。