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中世・近世

忍者屋敷の仕掛けを徹底解説|敵を欺く工夫と建築の秘密を大公開!

忍者屋敷の仕掛けを徹底解説|敵を欺く工夫と建築の秘密を大公開! 中世・近世
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江戸時代、忍者は任務の性質上、常に身を守る工夫を凝らしながら生活していました。

そのため、彼らの住まいには多くの仕掛けが施され、敵の目を欺く巧妙な工夫が数多く隠されていたのです。

そこで今回は、実際に存在した忍者屋敷に見られる建築の特徴や防御の仕掛けについて詳しくご紹介します。

外観を偽装し、内部に巧妙な仕掛けを施した忍者屋敷

忍者の住まいには、一見すると農家や町家のように見える外観が採用されていました。

例えば、茅葺屋根の平屋に見せかけながらも、実際には中二階や屋根裏部屋を備えた三層構造になっている場合もありました。このように、周囲に溶け込む外観と、内部に隠された複雑な構造が忍者屋敷の基本となっていたのです。

内部には、防衛と逃走を目的とした仕掛けが数多く仕込まれていました。床下や壁の一部に設けられた隠し部屋や隠し階段は、物資や人を隠すために使われていました。

また、壁が180度回転する「どんでん返し」や、床下に仕掛けられた「落とし穴」は、侵入者を混乱させるための装置として機能していたのが特徴です。

さらに、間取りをあえて複雑にすることで、追手を翻弄しやすくしています。出入口を複数設けたり、天井裏から外部や隣家に抜けられる経路を作ったりすることで、常に逃走の選択肢を確保していたのです。

現存する忍者屋敷と仕掛けの実例

現在も見学できる忍者屋敷として、三重県の「伊賀流忍者博物館 忍者屋敷」、滋賀県の「甲賀流忍術屋敷(甲賀望月氏本家旧邸)」、青森県の「弘前忍者屋敷(旧相馬家住宅)」が広く知られています。

いずれの屋敷にも、忍者特有の防御や偽装の工夫が数多く残されているのが特徴です。

甲賀・望月家住宅では、中二階や屋根裏を含む三層構造に加え、隠し窓や重い引き戸などが備えられており、緊迫した日常を感じ取ることができます。

弘前忍者屋敷には、床下や壁の裏に隠された空間があり、薬草を乾燥させる仕組みなども見られます。これらは、忍者が戦闘だけでなく生活面でも知恵を発揮していた証拠といえるでしょう。

また、近年の調査では、囲炉裏の灰の中や掛け軸の裏など、思いがけない場所にも隠し空間が設けられていたことが確認されています。これにより、忍者屋敷は単なる住まいではなく、戦略的な拠点であったことが改めて注目されています。

伊賀流忍者博物館 忍者屋敷《三重県伊賀市》

営業時間:平日10:00〜16:00(最終受付15:30)/土日祝10:00〜16:30(最終受付16:00)

休館日:12月29日〜1月1日

アクセス:伊賀鉄道「上野市」駅徒歩7分

甲賀流忍術屋敷(甲賀望月氏本家旧邸)《滋賀県甲賀市》

営業時間:平日10:00〜16:30(最終受付16:00)/土日祝9:30〜17:00(最終受付16:30)

休館日:毎週水曜・第4木曜・12月27日〜1月3日

アクセス:JR草津線「甲南」駅徒歩約20分、または新名神「甲南IC」から車約5分

弘前忍者屋敷(旧相馬家住宅)《青森県弘前市》

ガイド開始時刻:9:30/11:00/13:00/14:30/16:00(事前予約制・各回30〜60分)

定休日:なし(臨時休業あり)

アクセス:JR「弘前」駅から車約10分、弘南バス「文化センター前」停徒歩3分

まとめ

忍者屋敷には、外見を偽装しながら内部に防御と逃走のための仕掛けを数多く備えるという特徴がありました。

現存する屋敷を訪れることで、当時の忍者がどのように日々を過ごし、いかに工夫を凝らして敵を欺いていたのかを体感できます。

これらの住まいは、今なお日本の歴史や建築文化を伝える貴重な資料として、多くの人に驚きと学びを与え続けています。